2015年は3月6日 今年最小の満月 [月]
小さいのもイイ
3月6日未明の満月。
それは今年最も小さく見える満月となります。
大きな満月は「スーパームーン」といって騒がれますが、
小さいのはどうなのよ。
僕は、それはそれでおもしろいと思うわけです。
月は地球の周りを回っています(公転)が、 その軌道が楕円形であるため地球と月の距離は一定ではない。
(というのは、以前Twitter で書いたような書かないような……。
忘れました。)
そのため、月の見かけの大きさは、
地球との距離が近いときには大きく、
遠いときには小さく見えます。
また、月の軌道は太陽や地球などの影響を受けて変化するため、
月が地球に最も近づくとき(近地点)、
最も遠ざかるとき(遠地点)の距離が毎回異なります。
で今年2015年。
3月5日16時33分に、月が遠地点を通過し
3月で最も地球から遠くなります(約40万6400キロメートル)。
ちなみに、今年月が地球から最も遠ざかるのは 9月14日 20時27分(約40万6500キロメートル)です。
あくまでも、一番遠くに見える満月が3月6日ってことです。
そして、その翌日の3月6日3時5分に満月となります。
このときの月の視直径は約29.4分角で、
これが今年最も小さく見える満月となります。
ついでですが、今年最も大きく見える満月は9月28日です。
この日は、
午前10時46分に月が今年最も地球に近づき(約35万6900キロメートル)、
そのおよそ1時間後の午前11時51分に満月となります。
このときの月の視直径は約33.5分角です。
一番大きなものと小さいもの、
どれぐらい見え方が違うか比べてみましょう。
スーパームーンとちがって
あまり話題にも登らない最小の満月。
でも、あれ?今日の満月、小さいなあ……
と思う程度には気にして見て欲しいな。
ブラックムーン:2月19日の新月がなぜ特別なのか? [月]
Credit and copyright: Frank Miller.
先月スーパームーンがあったって、知ってます?
いやまあ、イベントと呼ぶほどのものではなかったので、
どこでも話題にもなりませんでしたが、
2015年初の新月1月21日は、
近地点の18時間前に起こりました。
なんたって新月なんで、見えないのですよ。
それに2015年初の近地点(距離359,642km)は、
特に近い!というわけではありませんでした。
が、今や満月や新月は
とかく話題になりやすい!
「スーパー」を付けたがる人が多いですから。
なので、これがどこまで話題になるのかはわかりませんが、
今日は「ブラックムーン」について見てみようと思います。
「ブラックムーン」とは何?
まず、ブラックムーンの定義です。
ちょっとややこしいので、よく噛みしめながら読んでください。
1:1ヶ月に新月が2回あること
2:春分/夏至/秋分/冬至で区切った3ヶ月に新月が4回あるときの3回目
3:1ヶ月のうち満月の日がないこと
4:1ヶ月のうち新月の日がないこと
かなりめんどくさい感じです。
簡単に言えば、
ブラックムーンはブルームーンの新月版です。
1は2月以外の月で起こります。
3,4は2月にしか起こりえません。
直近で起こったのは2014年。次は2018年までありません。
下は、向こう5年間のブラックムーンです。
年 | 日 | 4回中の3回目 | 月2回目 | メモ |
---|---|---|---|---|
2015 | 2月19日 | ◯ | ー | |
2016 | 10月31日 | ー | ◯ | |
2017 | 8月22日 | ◯ | ー | 皆既日食 |
2018 | 2月 | |||
2019 | 8月31日 | ー | ◯ | |
2020 | 8月20日 | ◯ | ー |
実際のところ、
天文学者たちは、ブルーだろうがブラックだろうが、スーパーだろうが
月のこういった現象について論議することって
ほぼないそうです。
どちらかというと、こういう用語は
占いの世界で使われる怪しい系の言葉なんですね。
Credit and copyright: David Blanchflower.
2月19日は3回目の新月
2月19日の月は、上のブラックムーンの定義のうち
2の春分/夏至/秋分/冬至で区切った3ヶ月に新月が4回あるときの3回目
という項目に該当します。
なので、19日の新月はブラックムーンということになるんです。
4回目の新月は、3月20日なんですが、
これはなんと、3月21日の「春分」から わずか13時間前の出来事です。
こういうことは、すべて
我々がグレゴリオ暦を使っているからこそ起こることで、
ブラックだろうがなかろうが、
宝くじに当たるわけでも、恋が成就するわけでもありません。
地球上のすべての出来事を
月の責任にしちゃあダメですよね。
そんなことよりも、ちょっと頭に置いておくべきことは
この日の海は、波の変動がいつもよりも大きくなるということ。
特に海に関係するお仕事の人には気になることです。
そしてそして、
2月19日の新月は近地点よりわずか7時間42分前に起こります。
しかも今年2番目に近づくんですよ。
今年最大の満月/スーパームーン9月28日に次ぐ(約115kmの差)近さです。
月の近地点には356,400 〜 370,400km の幅があります。
日食との関係
当然のことですが、
日食の日は必ず新月です。
その直近満月のどちらかは必ず月食。
どうせ見えないとは言っても、
新月のサイズは日食の皆既・金環に影響するので結構重要です。
これを逆に考えれば、
日食を見ることで、ある意味この新月をいることができるというもの。
確かに、日食が見られる位置に行く必要はあるけれど、
月の影が太陽に映るその瞬間を見たい! ですよねえ。
credit : DAVID DICKINSON
ということで、そのチャンスは3月20日にやってきます。
もちろん、ヨーロッパの北極に近い場所に行く必要がありますが……。
もうひとつ、ブラックムーンっぽいものを見る方法は、
その直前または直後の、糸のように細い月を見るというもの。
ただしこれは、非常に難しい!
大気の状態によっては、見つけることすら大変なのです。
日の出、または日没後約45分間の間に
ココらへんという辺りを、目を皿のようにして探してみてください。
すると、こんなふうなのが見えるかも?
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惑星のでき方 [宇宙のふ〜ん。なこと]
Credit: University of Copenhagen/Lars Buchhave
原始惑星の仮説
太陽系の惑星はどうやってできのたのか。
その問についてはこれまで「原始惑星の仮説」というような理論で
説明されてきました。
それがどういうものかというと、
非常に小さな物体がいくつもいくつも
互いにくっつき合って、
どんどん成長していく……と
簡単に言えばそういうものです。
しかし、そもそもその現象がなぜ起こるのか。
わかりませんよねえ。
今日はそのことを、いろいろ考えてみましょう。
太陽の誕生
理論が説明するように、約46億年前には
今太陽系があるところは、単なるガスと塵の
ゆるい集合体といったようなものでした。
これが「星雲」ですね。
オリオン座の星雲がもっとも有名なものですかね。
Credit: Vasco Soeiro
その後、何らかの要因が
星雲の中心部に圧力変化を引き起こすと
科学者たちは言っています。
おそらくは、近くで超新星爆発が起こる、
あるいは近くを通り過ぎた星により
重力に変化が起こる
というものです。
しかし、このような変化によって
星雲は崩壊し、
物質の円盤を形成していゆく、
とNASAは言っています。
円盤の中心部の圧力がどんどん高まり、
最終的には、星雲内に浮遊していた水素原子が
互いに接触するようになります。
すると、それらが融合してヘリウムを作り、
結果的に太陽を形成する起爆剤となるのです。
太陽は、ガツガツと
周りに渦巻く物質のおよそ99%を食いつぶしていきます。
あとに残った1%。
これが惑星の素となる、とNASAは考えています。
A star formation region (DR22 in Cygnus),DR22, in the constellation Cygnus the Swan. Credit: NASA / JPL-Caltech
カオスのとき
この時点で、太陽系はガスや塵や破片などが
非常にごちゃごちゃとした
とっちらかった場所となります。
しかしこの間に、惑星形成のプロセスが
急速に進みます。
塵やガスの小さなツブツブが
互いに集まり始めるのです。
若い太陽が、辺りのガスのほとんどを
太陽系の外に押しやり、
その時に出す熱が、その辺の氷を全部蒸発させていしまいます。
後に残された岩の塊のような惑星の素は、
時とともに太陽に近づき、
塵やガスの塊は更に遠ざかってゆきます。
そして、約4億年ほど前に起こったのが
「後期重爆撃期」と呼ばれる出来事です。
小天体が太陽系の大きな天体に激突するというものです。
火星サイズの天体が地球の素にぶつかって、
危うく地球がなくなるということがあったとか無かったとか……。
何がこの現象を引き起こしたのか
ということは、現在も研究がされている最中ですが
科学者の中には、
ガスの塊が太陽系の縁を動きまわって、
小さな天体をかき回した結果この現象が起こったのだと
信じている人もいます。
まあ、なんだかんだで、
原始惑星が互いにぶつかった結果、
最終的に惑星が出来上がった、と言われています。
Credit: Joe Tucciarone
その後も太陽系内には、
惑星の残りモノがあちこちに散らばっています。
現在火星と木星の間にある小惑星帯【アステロイドベルト】
と言われるものも、そうなんですね。
木星の重力が見かけほど大きくないのは
ひょっとして惑星になり得た、
この小惑星帯があるからだとも言われます。
その他、彗星あるいは
太陽系の「構成要素」とみなされる小惑星もあります。
こんな具合に太陽系はできてきた訳ですが、
同じようなことが、宇宙のあっちこっちで起こっています。
太陽系外の惑星も、きっと同じようにできているとは思われますが、
じゃあ、どれぐらい同じなのか?
ということは、まだまだ研究の待たれるところです。
現象を記録する
この理論の大きな問題は、
当然ですが、誰もその過程を見た人がいないということです。
だからこそ、周りの宇宙空間で
今現在起こっている現象を記録するということが
太陽系の成り立ちを知る上でも、とても大切なんですね。
Image credit: NASA
天文学者たちは、記録をするために
ふたつの方法を駆使して頑張ってます。
ひとつはひたすら観測。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA/アルマ)のような
強力な望遠鏡を使って
若い惑星の周りの塵を観測するのです。
その塵の中から、惑星を持つ星が生まれる現場を
目撃することができるんですねえ。
もうひとつはモデル化。
観測から得られた仮説を証明するには
コンピュータを使って
その仮説をシミュレートするのです。
シミュレーションにはあらゆる条件を挿入して
(例えばある天体が近くを通過することで引き起こされる現象など)
何度も計算を繰り返します。
そうすることで、仮説の可能性を突き詰めてゆくのですね。
しかし、まだこの方法ではわからないことがあります。
太陽系の惑星がどのような終焉を迎えるか、
確実に予測することは、まだできないんです。
衛星を持った小惑星なんていう、
なんともやっかい現象が
太陽系の中ですら、いくらでも見つかるんですからね。
Credit: NASA/JPL-Caltech
惑星形成に影響を与えるような、
例えば超新星爆発のような外部要因について
人類はもっともっと知る必要があります。
「原始惑星の仮説」は
人類が持っている中では、一番もっともらしいものです。少なくとも、今のところは。
これが現在の人類の実力。