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土星衛星「エンケラドス」について [土星]


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Credit : NASA/JPL/Space Science Institute


土星の衛星エンケラドスには地球外生命が存在❢❢
このニュースは2月13日の各報道機関でも賑を見せました。
元ネタは3月12日付の『Nature』誌。

米コロラド大学のシャンウェン・スーほか
東京大やJAMSTECらの研究チームが投稿したこの論文は、

エンケラドス表面の分厚い氷の下にある
「内部海」から噴出する微粒子について報告したものです。

フランス・ナント大学のガブリエル・トビーは同論文の付随論評で、
その粒子の化学的性質は、

地球で最初の生命体が誕生した場所」とよく似た環境を示唆している
と述べています。





エンケラドスってどこ?


ところで、「エンケラドス」という名前を
初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。

土星の衛星の名前って、あまり耳馴染みがありません。
そもそも土星には衛星がいくつあるのか?

2009年時点でわかっている土星の衛星の数は63個
木星と並んで、非常に多いのです。

木星の場合はガリレオ衛星を除いたすべてが小惑星のような大きさで
形もいびつなものが多いのに比べ、
土星の衛星は大きさもその表面の様子も多種多様です。

63個の衛星のうちその大半は、
地上の巨大望遠鏡群や土星探査機「カッシーニ」によって
2000年以降に発見されたものです。

その中で、エンケラドスは
1789年、ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。

直径は498km、土星からの距離は約24万km。
表面の反射率は非常に高く、太陽系でもっとも白い天体です。

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生命の根拠とは


土星探査機「カッシーニ」によって、エンケラドスの南極付近から
間欠泉のように氷が噴き出している様子が発見されました。

Enceladus_plumes_node_full_image_2.jpg

Credit : :NASA/JPL


この噴出物の中から有機物も発見されたのです。
直径わずか数億分の1インチほどの微粒子ですが、
二酸化ケイ素を豊富に含んでいました。

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Credit: Southwest Research Institute


筆頭著者のスーは、
「このことは、今も熱水活動が進行していることを意味します」
と言っています。

ということは、
今でも水と岩の間で相互作用が起こっていると考えられるのです。

また、この噴出物によって作られたと考えられている、
微量の大気も発見されています。

間欠泉を噴き出させている熱源は不明ですが、
エンケラドス内部における放射性物質の崩壊や、木星のイオ同様、
土星の潮汐力によるものではないか? というところですね。

Hydrothermal_activity_on_Enceladus_large.jpg

credit: NASA/JPL


「カッシーニ計画は2017年で終了しますが、
この興味深い海の世界を探査し続けるためにも、
エンケラドスに足を延ばす必要性は明らかです」

ケビン・ハンド氏は、こう言っています。
米国の2016年度予算に組み込まれている「エウロパ・クリッパー」計画でも
ひきつづきエンケラドスへの注目は必至でしょう。
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