ブラックムーン:2月19日の新月がなぜ特別なのか? [月]
Credit and copyright: Frank Miller.
先月スーパームーンがあったって、知ってます?
いやまあ、イベントと呼ぶほどのものではなかったので、
どこでも話題にもなりませんでしたが、
2015年初の新月1月21日は、
近地点の18時間前に起こりました。
なんたって新月なんで、見えないのですよ。
それに2015年初の近地点(距離359,642km)は、
特に近い!というわけではありませんでした。
が、今や満月や新月は
とかく話題になりやすい!
「スーパー」を付けたがる人が多いですから。
なので、これがどこまで話題になるのかはわかりませんが、
今日は「ブラックムーン」について見てみようと思います。
「ブラックムーン」とは何?
まず、ブラックムーンの定義です。
ちょっとややこしいので、よく噛みしめながら読んでください。
1:1ヶ月に新月が2回あること
2:春分/夏至/秋分/冬至で区切った3ヶ月に新月が4回あるときの3回目
3:1ヶ月のうち満月の日がないこと
4:1ヶ月のうち新月の日がないこと
かなりめんどくさい感じです。
簡単に言えば、
ブラックムーンはブルームーンの新月版です。
1は2月以外の月で起こります。
3,4は2月にしか起こりえません。
直近で起こったのは2014年。次は2018年までありません。
下は、向こう5年間のブラックムーンです。
年 | 日 | 4回中の3回目 | 月2回目 | メモ |
---|---|---|---|---|
2015 | 2月19日 | ◯ | ー | |
2016 | 10月31日 | ー | ◯ | |
2017 | 8月22日 | ◯ | ー | 皆既日食 |
2018 | 2月 | |||
2019 | 8月31日 | ー | ◯ | |
2020 | 8月20日 | ◯ | ー |
実際のところ、
天文学者たちは、ブルーだろうがブラックだろうが、スーパーだろうが
月のこういった現象について論議することって
ほぼないそうです。
どちらかというと、こういう用語は
占いの世界で使われる怪しい系の言葉なんですね。
Credit and copyright: David Blanchflower.
2月19日は3回目の新月
2月19日の月は、上のブラックムーンの定義のうち
2の春分/夏至/秋分/冬至で区切った3ヶ月に新月が4回あるときの3回目
という項目に該当します。
なので、19日の新月はブラックムーンということになるんです。
4回目の新月は、3月20日なんですが、
これはなんと、3月21日の「春分」から わずか13時間前の出来事です。
こういうことは、すべて
我々がグレゴリオ暦を使っているからこそ起こることで、
ブラックだろうがなかろうが、
宝くじに当たるわけでも、恋が成就するわけでもありません。
地球上のすべての出来事を
月の責任にしちゃあダメですよね。
そんなことよりも、ちょっと頭に置いておくべきことは
この日の海は、波の変動がいつもよりも大きくなるということ。
特に海に関係するお仕事の人には気になることです。
そしてそして、
2月19日の新月は近地点よりわずか7時間42分前に起こります。
しかも今年2番目に近づくんですよ。
今年最大の満月/スーパームーン9月28日に次ぐ(約115kmの差)近さです。
月の近地点には356,400 〜 370,400km の幅があります。
日食との関係
当然のことですが、
日食の日は必ず新月です。
その直近満月のどちらかは必ず月食。
どうせ見えないとは言っても、
新月のサイズは日食の皆既・金環に影響するので結構重要です。
これを逆に考えれば、
日食を見ることで、ある意味この新月をいることができるというもの。
確かに、日食が見られる位置に行く必要はあるけれど、
月の影が太陽に映るその瞬間を見たい! ですよねえ。
credit : DAVID DICKINSON
ということで、そのチャンスは3月20日にやってきます。
もちろん、ヨーロッパの北極に近い場所に行く必要がありますが……。
もうひとつ、ブラックムーンっぽいものを見る方法は、
その直前または直後の、糸のように細い月を見るというもの。
ただしこれは、非常に難しい!
大気の状態によっては、見つけることすら大変なのです。
日の出、または日没後約45分間の間に
ココらへんという辺りを、目を皿のようにして探してみてください。
すると、こんなふうなのが見えるかも?
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