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惑星のでき方 [宇宙のふ〜ん。なこと]

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Credit: University of Copenhagen/Lars Buchhave



原始惑星の仮説


太陽系の惑星はどうやってできのたのか。
その問についてはこれまで「原始惑星の仮説」というような理論で
説明されてきました。

それがどういうものかというと、
非常に小さな物体がいくつもいくつも
互いにくっつき合って、
どんどん成長していく……と
簡単に言えばそういうものです。

しかし、そもそもその現象がなぜ起こるのか。
わかりませんよねえ。

今日はそのことを、いろいろ考えてみましょう。



太陽の誕生


理論が説明するように、約46億年前には
今太陽系があるところは、単なるガスと塵の
ゆるい集合体といったようなものでした。
これが「星雲」ですね。

オリオン座の星雲がもっとも有名なものですかね。

The-Orion-Nebula-by-Vasco-Soeiro-580x367.jpg

Credit: Vasco Soeiro


その後、何らかの要因が
星雲の中心部に圧力変化を引き起こすと
科学者たちは言っています。

おそらくは、近くで超新星爆発が起こる、
あるいは近くを通り過ぎた星により
重力に変化が起こる
というものです。

しかし、このような変化によって
星雲は崩壊し、
物質の円盤を形成していゆく、
とNASAは言っています。

円盤の中心部の圧力がどんどん高まり、
最終的には、星雲内に浮遊していた水素原子が
互いに接触するようになります。

すると、それらが融合してヘリウムを作り、
結果的に太陽を形成する起爆剤となるのです。

太陽は、ガツガツと
周りに渦巻く物質のおよそ99%を食いつぶしていきます。
あとに残った1%。
これが惑星の素となる、とNASAは考えています。

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A star formation region (DR22 in Cygnus),DR22, in the constellation Cygnus the Swan. Credit: NASA / JPL-Caltech



カオスのとき


この時点で、太陽系はガスや塵や破片などが
非常にごちゃごちゃとした
とっちらかった場所となります。

しかしこの間に、惑星形成のプロセスが
急速に進みます。
塵やガスの小さなツブツブが
互いに集まり始めるのです。

若い太陽が、辺りのガスのほとんどを
太陽系の外に押しやり、
その時に出す熱が、その辺の氷を全部蒸発させていしまいます。

後に残された岩の塊のような惑星の素は、
時とともに太陽に近づき、
塵やガスの塊は更に遠ざかってゆきます。

そして、約4億年ほど前に起こったのが
「後期重爆撃期」と呼ばれる出来事です。
小天体が太陽系の大きな天体に激突するというものです。

火星サイズの天体が地球の素にぶつかって、
危うく地球がなくなるということがあったとか無かったとか……。

何がこの現象を引き起こしたのか
ということは、現在も研究がされている最中ですが
科学者の中には、
ガスの塊が太陽系の縁を動きまわって、
小さな天体をかき回した結果この現象が起こったのだと
信じている人もいます。

まあ、なんだかんだで、
原始惑星が互いにぶつかった結果、
最終的に惑星が出来上がった、と言われています。

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Credit: Joe Tucciarone



その後も太陽系内には、
惑星の残りモノがあちこちに散らばっています。

現在火星と木星の間にある小惑星帯【アステロイドベルト】
と言われるものも、そうなんですね。

木星の重力が見かけほど大きくないのは
ひょっとして惑星になり得た、
この小惑星帯があるからだとも言われます。

その他、彗星あるいは
太陽系の「構成要素」とみなされる小惑星もあります。

こんな具合に太陽系はできてきた訳ですが、
同じようなことが、宇宙のあっちこっちで起こっています。

太陽系外の惑星も、きっと同じようにできているとは思われますが、
じゃあ、どれぐらい同じなのか?
ということは、まだまだ研究の待たれるところです。


現象を記録する


この理論の大きな問題は、
当然ですが、誰もその過程を見た人がいないということです。

だからこそ、周りの宇宙空間で
今現在起こっている現象を記録するということが
太陽系の成り立ちを知る上でも、とても大切なんですね。

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Image credit: NASA



天文学者たちは、記録をするために
ふたつの方法を駆使して頑張ってます。

ひとつはひたすら観測。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA/アルマ)のような
強力な望遠鏡を使って
若い惑星の周りの塵を観測するのです。

その塵の中から、惑星を持つ星が生まれる現場を
目撃することができるんですねえ。

もうひとつはモデル化。
観測から得られた仮説を証明するには
コンピュータを使って
その仮説をシミュレートするのです。

シミュレーションにはあらゆる条件を挿入して
(例えばある天体が近くを通過することで引き起こされる現象など)
何度も計算を繰り返します。

そうすることで、仮説の可能性を突き詰めてゆくのですね。

しかし、まだこの方法ではわからないことがあります。
太陽系の惑星がどのような終焉を迎えるか、
確実に予測することは、まだできないんです。

衛星を持った小惑星なんていう、
なんともやっかい現象が
太陽系の中ですら、いくらでも見つかるんですからね。


Credit: NASA/JPL-Caltech



惑星形成に影響を与えるような、
例えば超新星爆発のような外部要因について
人類はもっともっと知る必要があります。

「原始惑星の仮説」は
人類が持っている中では、一番もっともらしいものです。少なくとも、今のところは。
これが現在の人類の実力。




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JAXAより「はやぶさ2」の L+情報 [はやぶさ2]

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地球から見た「はやぶさ2」の方向



万全な状態


今日1月28日、
JAXAの月・惑星探査プログラムグループ
はやぶさ2プロジェクトチームの
プロジェクトマネージャ國中均教授、ミッションマネージャ吉川真氏による
小惑星探査機「はやぶさ2」の運用状況等について
説明会がありました。

小惑星探査機「はやぶさ2」の
初期機能確認期間(打上げ以降から約3ヶ月間を予定)における、
1月下旬までの実施状況、残りの期間での実施予定項目等に関しての
説明でした。



「大変万全な状態にある。目指す小惑星に向けて、今まさに航海が始まった」
「航海に耐える探査機を投入できたという意味では、きょうは笑わないといけないかな」と
打ち上げ直後の会見では、あまり笑顔を見せなかった彼も
顔をほころばせていたのが印象的でした。


小惑星探査機「はやぶさ2」初期機能確認期間の運用状況に関する 記者説明会



地球から2200万キロ


はやぶさ2は現在、地球から2200万キロ離れた所を航行しています。
電波でのやりとりに2分半ほどかかるんですって。
12月末には、航行を支えるイオンエンジン4基
それぞれの作動試験を行い、
設計通りの推力が出ることを確認しました。

今月に入ってからは、
イオンエンジンを複数組み合わせた運転や、24時間連続の自動運転も実施。
新たに搭載された高速通信機能の確認なども順調に進んでいます。

3月には、今年12月に行う予定の地球の重力を使った加速(スイングバイ)に向け、
イオンエンジンの定常運転に入ります。

この通り、すこぶる順調です。


<<「はやぶさ2」航行ステータス>>
2015年1月26日14時0分(日本時間)現在

太陽からの距離:1億5,853万km
地球からの距離:2,172万km
赤 経 :77.72度
赤 緯 :-19.25度
航行速度 :28.1km



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はやぶさ2と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)



ちなみに、
打ち上げ後の経過時間を示す際、運用現場では「Launch(打ち上げ)」と
「プラス○日」を組み合わせて「L+1(=エルプラスイチ)」と表現するそうです。
今後「はやぶさ2」の航行ステータスなどをリポートする場合は、
それがいつのものなのかをはっきりさせるため、
たるべくこの表現を使いたいと思います。

今日1月28日の時点では「L+56」となるわけですね。


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うるう秒調整 2015年は7月1日 [地球]

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うるう秒とは


数年に1度、日本時間では9時00分00秒の1秒前に、
8時59分60秒が入れられることがあります。
この8時59分60秒のことを「うるう秒」といいます。

かつて時刻は、地球の公転・自転に基づく天文時(世界時)から決められていましたが、
1958年から原子の振動を利用した原子時計に基づく国際原子時が開始され、
1秒の長さが非常に高精度なものとなった結果、
原子時計に基づく時刻と天文時に基づく時刻との間で
ズレが生じるようになったんですね。

そこで、原子時計に基づく時刻を
天文時とのズレが0.9秒以内におさまるように調整を行った時刻を
世界の標準時(協定世界時)として使うことにしたんです。





今回その調整を行うために「うるう秒」の挿入が行われるのです。
「うるう秒」の調整は1972年から数年に1回程度行われています。

そもそも「閏」というのは、
暦の上で1年の日数や月数などが平年より多いことをいいます。

もともとは暦の上の季節と実際の季節とのずれを調節するためのものです。
現代の太陽暦では、4年に1回(400年間に97度)、
2月を1日多く(「うるう日」)します。

実際の地球の公転周期が1年365日より少し長いこと
(およそ365.25日なので、0.25日を4倍して一日の長さになります)
からくるずれを、「うるう日」で調節するわけです。


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「うるう秒」の調整の実施


「うるう秒」の調整は、
地球の回転の観測を行う国際機関である「国際地球回転・基準系事業
(IERS:International Earth Rotation and Reference Systems Service、所在地:パリ)」が
決定しており、これを受けて世界で一斉に「うるう秒」の調整が行われています。

日本では、総務省及びNICT(情報通信研究機構)が法令に基づき標準時の通報に係る事務を行っており、
IERSの決定に基づいて、NICTが日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施しています。

今年は1月5日のIERSの「うるう秒」挿入の決定を受け、
NICTが7月1日(水)に日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施します。

具体的には平成27年(2015年)7月1日(水)
午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に
「8時59分60秒」が挿入されることになります

最近では3年前となる平成24年(2012年)7月1日に「うるう秒」の調整が行われました。
また、「うるう秒」の調整が平日に実施されるのは、平成9年以来なんだそうです。

現代社会では時計は時間を知るためだけのものではなくなっています。
情報通信ネットワークやコンピューターの運用などにも
正確な時刻情報が必要ですよね。
だから、7月1日の9時前後に調整される1秒が
社会でも大きな意味を持つのです。

「うるう秒」挿入後の正しい日本標準時は
NICTが
電波時計等に時刻情報を提供している標準電波、
放送局等に時刻を知らせる「テレフォンJJY」、
ネットワークを利用したコンピューターの時刻合わせに使われている「NTPサービス」等、
日本標準時通報サービスによって通報するそうです。

詳しいことはNICTホームページ参照 → http://www.nict.go.jp/



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ブラックホールについて 10の驚きの事実 [宇宙のふ〜ん。なこと]

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Photo Credit: NASA


想像してみましょう。

物質があまりに詰めっ詰めに密集してて
どこにも逃れようのない状態。
月も惑星も、光でさえも動けない。

それがブラックホール。
重力の引き込みが計り知れないほど巨大なため
あらゆるものが取り込まれ、
永遠の迷走へと落とし込まれる危険性をはらむ場所。








しかし、そのブラックホールはどうやって出来たのか。
なぜ重要なのか。
今日はブラックホールについての10の事実をあげてみました。
ブラックホールという神秘の魅力の
ほんのひとかけらです。


事実1:ブラックホールは見えない


ブラックホールという名前のとおり、
「黒い」ため、光やX線をあてようが何をしようが、
直接ブラックホールを見ることはできません。
その周辺の環境を観測する以外に
ブラックホールを感知することはできないのです。

ブラックホールはあらゆる物質を引っ張り込み
ズタズタに引きちぎろうとします。
ときにはひとつの星を飲み込むことだってあります。
まさにそれが我々にはチャンス。
星が引き込まれる時の加速、発熱を観測することによって
ブラックホールの存在を知るのです。


事実2:要注意!! 僕らの銀河にもブラックホールがある!


自然な疑問として、
地球がブラックホールに飲み込まれる危険性はあるのか。
というのが気になるところでしょう。

さあ、どうなのか?
天文学者たちの答えは〜 NO〜です。

我らの天の川銀河の真ん中には
超巨大なブラックホールがあるにはある。
でも、ラッキーなことに
それらのブラックホールからはだ〜いぶん離れた所に
僕たちはいるのです。

銀河の中心から半径の2/3の位置にある
太陽系というポジションは
恐ろしい怪物に脅かされることなく
その存在をきっちり観測できる
優れたポジションなんですね。

European Space Agency(欧州宇宙機関〉の調べでは
銀河系内のブラックホールが太陽の4万倍の規模を持ち
想像を絶する光熱のガスに覆われているそうです。


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Credit: X-ray: NASA/UMass/D.Wang et al., IR: NASA/STScI

射手座Aの合成画像=赤外線(ハッブル宇宙望遠鏡の捉えた赤、黄色)とX線(チャンドラ宇宙望遠鏡の捉えた青色)



事実3:死にゆく星がブラックホールをつくる


ここに太陽の20倍以上の規模の恒星があるとしましょう。
我々の太陽が命を終えるときは、とても静かです。
単に核燃料が切れて、ゆっくりと白色矮星になります。

しかし、20倍以上の規模の恒星の場合は、そうは行きません。
モンスターが燃料を使い果たした時
重力が、星が形を保つために持つ自然な圧力を圧倒します。

Space Telescope Science Institute(宇宙望遠鏡科学研究所)によれば、
核反応による圧力が崩壊すると、
重力がコア(地核)を破壊し、他の層は宇宙に投げ出されてしまいます。
この現象をスーパーノヴァ(超新星)と呼びます。

残されたコアが特異点(物質密度が無限となる点)へ向けて
潰れていゆくー これがブラックホールの別名なのです。


事実4:ブラックホールには色々なサイズがある


ブラックホールには
少なくとも3つの種類があるとNASAは考えています。
比較的小さなものから銀河の中心部を支配するほどのものまであります。

原始的なブラックホールが一番小さく、
たった1個の原子サイズから山程度の質量を持つものがそれに含まれます。

もっとも一般的なサイズは恒星大のもの。
この場合の恒星とは太陽の20倍以上の規模のものです。
おそらく天の川銀河には、これぐらいのサイズのブラックホールが
十数個あると思われます。

そして最後が、銀河の中心の巨大なブラックホール。
「超巨大ブラックホール」と呼ばれています。
このクラスになると、
ブラックホール1個の大きさが太陽の100万倍の規模とされています。
そんな形をしているのかは、未だ不明です。


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2つ連なるブラックホールを上から見た図

Image Credit: Bohn et al. (see http://arxiv.org/abs/1410.7775)



事実5:ブラックホールの周りでは奇妙な時間的現象が起こる


ある人(A)が今まさにブラックホールに吸い込まれていて、
その光景をもう一人の人(B)が見ているところを想像してください。
(B)の観点からは、(A)の腕時計がどんどんゆっくり動いているように見えます。

これはアインシュタインの一般相対性理論によるものですが、
簡単に言えば、
光速に近づけば近づくほど、時間の進み方が速度の影響を受けるというものです。

ブラックホールは、時間と空間を大きく歪めます。
(A)の時計をゆっくり進ませる一方、
(A)の観点からは時計は通常通り進んでおり、
(B)がとても速く動いているように見えるのです。


事実6:X線天文学なくしてブラックホールは見つからない


はくちょう座X-1は1960年代の気球実験中に発見されましたが、
これがブラックホールであるとわかるまでは、
更に10年の時を要しました。

NASAによると、
このブラックホールは太陽の10倍以上の大きさがあるそうです。
近くには太陽の20倍以上はある青色巨星があり、
ブラックホールはこの星からガスを吸収して
摩擦熱でX線を放出しているのが観測されています。


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HDE226868星からブラックホール「はくちょう座X-1」へガスが流れ込むイメージ図 (NASA/CXC/M.Weiss)



事実7:直近のブラックホールは地球から1600光年の距離じゃない


射手座のV4641 Sagitarii誤測定が
地球から一番近いブラックホールは1600光年の距離!
なんていう恐ろしい報告につながりました。

危険を意識するほど近いというわけではないですが
想像していたよりはかなり近かったんですね。

もっとも、後の研究で、本当は遠いということがわかっています。
ブラックホールの伴星の回転や他のファクターから見た
2014年の報告では
2万光年は離れているということです。


事実8:ワームホールの存在はまだ確認されていない


人気SFの題材で「人がブラック−ホールに落ちると何が起こるのか」
というのがあります。
例えば別の世界とつながっていたり、
光よりも速く移動できるといった
いわゆるワームホールを信じる人もいます。

しかし、我々人類は
未だに量子力学と一般相対性理論を統一する理論を持てずにいます。
ワームホールを収容できる時空構造が理解できないのです。

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ワームホール、または宇宙の2つの場所をつなぐ通路の理論図 Credit: Wikipedia



事実9:ブラックホールが危険なのは近づきすぎた場合のみ


檻の中の猛獣と同じで、
ブラックホールを遠く離れた場所から見るぶんには
何も危険はありません。
惑星の重力場の外から覗くのは大丈夫。
ブラックホールは、何でもかんでも飲み込んでしまうってことではないのです。


事実10:ブラックホールはSFの世界では超おなじみな存在


めちゃめちゃ多くのSF映画にブラックホールは登場します。
多すぎで数えられないほど。
『イベント・ホライズン』『スタートレック』『バトルスター』
『ギャラクティカ』『スターゲイト』などなど、
いろんな作品に登場しますよね。

このように、実際のブラックホールは
まだほとんどよくわかってなくて、
空想の世界でのみ、表情豊かな姿を見ることができるのです。



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11年前行方不明になったビーグル2発見!! [from 太陽系]


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(credit : HIRISE/NASA/Leicester)


1月19日、欧州宇宙機関(ESA)から、感慨深い知らせが届きました。
11年間行方不明となっていた火星ランダー『ビーグル2号(Beagle2)』が
発見されたというではないですか。
世間では大した話題にもなっていないけど、
なんだか非常にうれしいのは、僕だけでしょうか。


ビーグル2号(Beagle 2)とは


illust.jpg

credit:ESA/Denman productions)


ビーグル2号という名前は、
チャールズ・ダーウィンの2度の航海に使われた
ビーグル号に由来しているそうです。

そのビーグル2号(Beagle 2)は
火星周回探査機「マーズエクスプレス」に搭載され
2003年6月に打ち上げられました。
火星の地質サンプルなどから生命の痕跡を探ることが
ビーグル2のミッションでした。






同年12月に母船から切り離されて火星に軟着陸する予定でしたが、
降下途中に通信を絶ってしまったのです。

原因は、太陽電池パネルが
一部展開していない状態とみられ、
これが通信不全を招いたとされています。

全長2m足らずの小さな円盤型をした同機の姿は、
それ以降の捜索でも見つかりませんでした。


ビーグル2発見!


parts.jpg

(credit:NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona/University of Leicester)


ビーグル2が行方不明になってから11年経った今、
再びその小さな姿を見つけたのは
NASAの火星探査機「マーズ・リコナサンス・オービター」(MRO)でした。
2014年に撮影した画像からビーグル2の機体が写っていたのです。

ビーグル2が見つかった場所は
着陸予定地だったイシディス平原ででした。
このことから、大気圏突入と着陸自体は
ほぼ問題なく遂行されていたということがわかります。

画像からは4枚の太陽電池パネルのうち
一部が開いていないことがうかがえ、
そのためにアンテナが覆われたままになり
通信が行えなくなった様子も見受けられます。

当時の「マーズエクスプレス」プロジェクトマネージャーの
Rudolf Schmidtさんは、
「ビーグル2に一体何が起こったのか、ずっと心に引っかかったままでした。
ともかくも地上に到達していたことがわかったのは
素晴しいニュースです」と喜んだということ。

ほんとにそうですね。
『南極物語』で、置き去りにされても
過酷な環境を無事生き抜いて、再び発見された
あの犬たちを思い浮かべてしまいましたね。
なんか、名前も犬みたいだし。
涙モノです。

あ、そうそう。
本体のほかに着陸用パラシュートや裏面カバー等の
パーツとみられるものも周辺で見つかっており、
今後、まだ別の発見があるやもしれません。
実際に回収されることはないだろうけど、
なんだか嬉しいニュースでした。



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